この4月から保育園に子どもが通い始めたという方も多いと思います。子どもの入園=仕事への復帰。
新しい生活に慣れるのにしばらくは精一杯ですよね。私もそうでした。
その時期を乗り越えて、子育てしながらの仕事の生活が回り始めると、どこからともなく出てくる仕事に関するモヤモヤした気持ち。特に、産休前までバリバリ働いていた人ほどそのギャップにモヤモヤしているのではないでしょうか。
実は、最近後輩に似たような相談をされました。同じように考えてモヤモヤするのは私だけじゃないんだな、と思ったのがこのブログを書くきっかけです。
今回は職場復帰から4年たった私が、当時の私に伝えたいこと、というブログです。会社によって状況は様々だとは思いますが、バリキャリから産休育休・復職したけどモヤモヤする、という方のヒントになれば嬉しいです。
復職後、長時間労働からの脱却が一番の課題、ではなかった
私は子どもが0歳で復職。時短での復職でした。最初いつ呼び出しがあるかと、ドキドキ。幸いわが子は丈夫で、初年度の呼び出しは3回くらい。殆ど呼び出されることはなく、その点はラッキーでした。
子どもの健康問題以外に私にとって大きな課題は長時間労働からの脱却。
夫と出会う前までは毎日11時過ぎ退社、出会ってから結婚、出産前は毎日20時までは残業していたので17時退社で仕事をしていけるのか、不安なスタートでした。
何があっても17時には会社を出ないとお迎えに間に合わない。そうすると休む前にこなしていた仕事量はとても対応できません。
会社側も同じように考えていたのか、実際に休みに入るときに引き継いだ仕事のうちいくつかは、戻ってくることはありませんでした。
私の事前の心配をよそに、正直言って復職後はヒマな状況。帰宅直前にクライアントから電話がかかってきて、みたいな状況を除いて、仕事が時間内に終わらない、という状況にはなりませんでした。
仕事に対するモヤモヤと同僚に対する怒り
さほど忙しくない日々を過ごしていると、産休前までバリバリ働いていた私としては、だんだんモヤモヤした気持ちになります。
目につくのは、私が誰かに引き継いだ仕事の良くない状況。
- すっかりお膳立てして引き継いだプロジェクトがうまくいっていない
- 大切にしていた外部のプロジェクト協力者との関係が後任によって切られていた
- 担当が戻ってきたプロジェクトも、いない間はルーティンのみで発展していない
最後の1つのように、手元に戻ってくれば手の打ちようもありますが、最初の2つは引き継いだ担当者から戻って来ず。
私の頭の中には「あそこまで準備したのに何で」「自分だったらうまくできたのに」「プロジェクトをめちゃくちゃにされた」というネガティブな感情がうまれてきました。
引き継いだ担当に話を聞いても、「もう状況は変わってるからさ」とにべもなく。私が大切にしていたものをぞんざいに扱われているという気持ちから、同僚に対しての不信感や怒りだけが残りました。
自分を納得させるために。「子育て中だから仕方がない」という呪文発動
自分を納得させるためにしたこと、それは「子育て中で、私には時間がないんだから仕方がない。自分はみんなの手の回らない仕事、やりたがらない仕事、サポート的な仕事をやる役割なんだ」と思うこと。
実際に、私に回ってくる仕事は、その時期にたまたま退職した若手の抱えていた案件だったり。自分より若手の担当している案件は、売上も低かったり、単価が安くて自分には見合わない、そういうみんながやりたがらないものでした。
もちろん、モチベーションは上がりませんけれど、「私は子育て中で、そういう役割なんだから仕方がない」と呪文のように言い聞かせる日々。
仕事に手を抜くことはしません、というよりも、一生懸命やらなくてもこなせる、そんな感じの仕事の仕方が2年ほど続いていました。
「できないかもしれない仕事」を引き受けて少しづつ呪文を解く
その状況からの脱出方法は、少しずつ「子育て中の私では無理かもしれない」仕事をしたこと。
例えば
- 夜遅い時間に会議がある仕事
- 土日出勤がある仕事
- 泊りの出張がある仕事
こういう仕事があったときに、すぐに断らずに対応できる方法を考えていきました。
- 夜遅い会議はリモートで入る
- 土日の出勤は夫や実家を頼る
- 泊りの出張はいったん帰宅して、子どもと食事をして安心させてから、深夜バスで翌朝までに現地に入る
そういうことを、一つ一つ行いながら、自分の意識的にも「できること」を増やしていきました。
極めつけは、復帰4年目にたまたま私に話が回ってきた、2年がかかりの大きめのプロジェクト。
その業務を引き受けると、残業が増えることも、泊りで家を空けることも目に見えていました。
でも小さな工夫をしながら、ちょっとした「子育て中には難しい仕事」に対応してきた私は、とりあえずやってみることに。
このころには、「子育て中なんだから仕方がない。サポートの仕事を」という呪文はすっかり解けていました。
ワーママが仕事をすることは、家族に迷惑をかけることなのか?
実際、家族にも協力してもらいましたし、子どもは寂しい思いをしたと思います。見ようによっては「迷惑をかけた」のだと思います。
でも、これって迷惑なのでしょうか?
私には母としての役割も、妻としての役割もありますが、職業人としての役割もあって、仕事にはやりがいをもって取り組んでいます。
その一つの役割を全うしようとするときに、家族に影響を与えるのは迷惑をかけていると考えるのではなくて、家族が協力している、と考えるほうが自然ではないかと思うんです。
もちろん私自身、夫に協力することもありますし、子どもを優先することもあります。1日や1週間という短いスパンのこともあれば、もっと長いスパンの中で、優先順位が変わってくる時期があるのだと思います。
この先、状況によっては仕事を投げうっても夫を優先したり、子どもを優先したい、と思うことがあるかもしれません。
でも今はお互い協力することで乗り切れるので、「協力してもらえる?」とひとつひとつ確認しながら、前に進んでいっています。
そういう意味では、「モヤモヤしていたとしても、割りきって子どもを優先する」という選択を否定する気持ちはありません。
ただ、周囲に協力してもらえるのか確認せずに勝手に「子育て中だから」という呪文を発動したり、どんな工夫ができるか考えずに「子育て中だから」呪文を発動するのだけはモッタイナイ。
もし似たようなモヤモヤを抱えている方がいたら、できれば私みたいに2年も思考停止で呪文にかかったままモヤモヤせず、少しずつでも前に進んでほしいな、と思っています。
バリバリ働いていた人が自分に「子育て中だから」という呪文をかけてしまったら、ひとつずつ、ちょっとずつ、無理目な仕事を引き受けてみるのがおすすめです!
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