今回レビューするのはちょっと面白い吸引機構をもった、シェーファーの万年筆です。
シェーファーのインペリアル727を持ってるけど、どうやって吸引するの?と迷っている方、珍しい吸引機構に興味がある方、デッドストックの万年筆って危なくないの?と心配な方の参考になればうれしいです。
シェーファーってどんなブランド?
SHEAFFER
万年筆はヨーロッパのイメージがありますが、シェーファーはアメリカのブランドです。
創業は1912年!歴史あるブランドですね。
今はやはり筆記具で有名なCross(クロス)の傘下に入っています。
シェーファーの万年筆で特徴的なのはクリップのデザイン。短めなクリップで、白いぽっちがついています。シェーファーのボールペンなども短めクリップです。
シェーファー万年筆のもうひとつの特徴がユニークなインク吸引機構。スノーケル式というペン芯部分から細い管が出てくるタイプや、タッチダウンという方式があります。
スノーケル式については中古万年筆を扱うKINGDOM NOTEのブログに写真つき記事があります。
シェーファーインペリアル727について
金ピカのこの万年筆は、2014年の春に東京駅のKITTEにあるアンジェビューローで購入しました。
新品のまま使われずに在庫となっていた、いわゆる「デッドストック」品で、でもともとの値段、15ドルの値札がつき。
ニブは14金でペン先はF(細字)。軸全体がゴールドですが、元々が廉価版のシリーズだからか、カジュアルな雰囲気も漂っています。
クリップはパチッとはめるタイプの勘合式です。ねじ式みたいにいつの間にか緩んでいた、ということが起こりにくいと思います。
デッドストック万年筆を買うときのチェックポイント
デッドストックを買うときの、私なりのチェックポイントは4つ
- お店で検品をされているかどうか
- 水をつけて試筆させてくれるかどうか
- 国産か、海外ブランドか(国産のほうが品質のばらつきが少ない)
- 最後は好きなデザインか
1つめは見ただけじゃわからないので、店員さんに聞いてみるとよいと思います。
2つめは、お値段のする万年筆ならお願いしたいところです。できない場合は、ペン先に食い違いがないか、変色がないかは必ずチェック。
3つめは、どちらかというと、という話し。初めて買う万年筆がデットストックだったり、絶対失敗したくない場合は国産ブランドのほうが良いかもしれません。万が一トラブルがあったときも、メーカーに相談しやすいですしね。
4つめは、「欲しい!」と思ったらGO!です。デットストック品は現在たくさん流通しているものではないし、レトロな雰囲気もあって、他の人とは違う特別感を感じられます。持ってる満足感もありますよ。直感は大切に。
シェーファーのユニークなインク吸引機構
万年筆にインクを入れる方法としては大きく3つあります。
- カートリッジ式
- コンバーター
- ピストン吸入式
ピストン吸入式はペリカン スーベレーンがこのタイプです。
シェーファーインペリアル727は変わっていて、見たことのないものでした。
調べてみたところ、いくつかのサイトで中押し式と表現されていました。
シルバーの薄い板の下にある黒いものはゴムです。
この吸入機構部分は取り外せるそうで、シェファーのコーンバーターが使えます。
アップにしてみます。
ペン先をインク瓶に入れた状態で、このシルバーの板の部分をペコペコと押すと、下にあるゴムが凹んでインクを吸い上げる、という仕組み。なかなか面白いですよね。
正直、どれくらいの量が入るのか全くわからないし、ゴム素材は経年劣化もあるだろうし、なぜわざわざこうなっているのか全然分からないんですけどね。
経年劣化については、インクを入れて使用した後水で洗浄し、10年弱眠らせても大丈夫でした。見えないところの劣化はあるかもしれませんが、ごく普通に使えています。
ニブは固めの書き心地
万年筆の書き心地というと、しなるペン先でふわふわ、と想像するかもしれませんが、シェーファーインペリアル727はガッシリとニブが固定されている感じで固めの書き心地です。
14金、F字(細字)のニブの様子を横から見てみます。
ニブの根本(首軸側)がぐるっと裏側に回り込んでいるのがわかります。
裏側から見てみます。
表側からつながっている金色の部分がぐるっと一周していることがわかります。ニブ全体がしなることはなく、ガッシリしているのはこのためだと思います。
長時間書き続けるにはちょっと辛いのですが、短い日記くらいにはちょうどいい書き心地です。もっぱら3年日記用として使っています。
シェーファーインペリアルシリーズは、現在、中古でしたら入手可能なようです。
誰かが使ったもの、ということでチェックポイントも多く、デッドストックよりさらに購入ハードルが高くなります。できれば自分の目で見てから、見られない場合は信頼できるお店から購入したいですね。
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