中小企業で執行役員をしていた私が、40代後半になって人生初めての転職活動をしました。
転職について、前の記事ではいつ会社に退職を伝えるかの私なりの考えを書きました。
今回は転職にあたって重視したことや、エージェント選び、執行役員だからこそ明確にしておく必要がある点を書きたいと思います。
このブログが40代後半で転職を考えている方、執行役員で転職したいと思っている方のお役にたつと嬉しいです。
一般社員と執行役員、転職市場では見られ方が違うことを知っておく
話はだいぶ遡りますが、実は執行役員に昇進する半年ほど前に、一度転職のエージェントと接触していました。
その時の目的は自分の市場価値を知ることと、一般社員と執行役員で転職する時に違いがあるのかを確認することでした。
私の働く業界はもともと人材が結構動く業界なので、自分が転職しようと思ったらそこそこの市場性はあるだろうと思っていましたが、プロの意見と、客観的に見て自分は価値があるのかを確認しました。
その時に知ったことは、執行役員になってから転職すると「マネジメント人材」として見られる、ということ。当時エージェントから言われたのは以下のことでした。
- 一般社員で転職するなら30代が最もニーズのあるゾーン。事業会社が求めている人材の年齢として、若ければ若い方が良い
- 執行役員で転職するとマネジメント人材として見られる。事業会社よりもスタートアップ、ベンチャーなど成長中の企業から求められる
業界によって異なる要素もあると思いますが、転職市場での自分の見られ方が変わることを予め知っておいたのは、実際に転職活動をする時にもよかったと思います。
転職で変えたいこと、変えたくないことを明確にする

色々な事情から転職を考え始めた私が、まずやったことは、今回の転職にあたっての重視する点を明確にすることです。具体的には以下を重視しました。
- 業種
- 職種
- 通勤時間
- フレックスがあるか(子供の行事に柔軟に参加できそうか)
- 年収(○○○円以上と下限を決める)
- 勤続年数。人の入れ替わりが激しくないかどうか(定年まで勤めたいと思っているため)
重視する点を明確にして、それ以外は気にしませんでした。例えば内資か外資系か、また、ポジションも全く気にしませんでした。
エージェントの特徴を知って選ぶ

次にエージェント選びです。
私は執行役員になってから1年半近く、採用も担当していたので、エージェントによって得意、不得意があることを実感として知っていました。
業界による得意不得意がありますし、数は少ないけれど会社にマッチする確度の高い人を紹介してくる会社と、とにかく数で勝負の会社があります。
さらには、手数料の違いも理解していました。どのエージェントに求人を出しているかによって、その会社の採用にかけられるコストと本気度をイメージすることができました。
エージェントを選ぶときに重視したのは以下の点です。
- 数は少なくて良いけれど、自分に合った会社を紹介してくれる
- 担当者が企業の内情をある程度理解している。
- 担当者は会社と求職者の両方の窓口になっている
1つ目は、自分の経験を活かした転職がしたいなら重要だと思います。40代も後半なので、私が何で貢献できるかを求められますし、自分としても役に立てると思う会社に入りたい。その為には数撃ちゃ当たる方式ではなく、自分ができることと相手が求めていることをすり合わせていく必要があり、数はこなせないと考えました。
2つめですが、転職したい業界、会社の今の状態をどれ位知っているかは重要です。私自身、エージェントからある企業の内情について教えてもらい、志望順位は下げてよいのではないか?などの具体的なアドバイスを貰いました。会社の採用担当だけでなく、実際に働いている人から情報入手しているエージェントは頼りになります。
3つめですが、例えばリクルートは企業担当と求職者担当が明確に分かれていて、求職者担当は企業の担当者と直接接触しません。どうしても伝言ゲーム的になりますし、求職者担当は採用企業の社風を直接感じる機会がありません。1つめや2つめの条件とも繋がりますが、私の特徴を理解した担当者に、私と合う企業を繋げてもらいたかったので、この点を重視しました。
多くのエージェントに接触したわけではないのですが、私の感覚としてはハイクラス転職と呼ばれるサービスの方がこの要件を満たしている確率が高いのではないかと思います。
一方で、ハイクラス転職は成功報酬のマージンが高いので、採用する側の目も厳しくなります。年収の半額近いお金を払って、その人が役に立たなかったら目も当てられません。
エージェント接触前なら、希望する会社のWEBから直接応募すれば、採用コストは掛からないので、一般的には採用ハードルは下がります。なお、エージェントから紹介された会社に直接応募するのはルール違反だと思いますのでお気をつけて。
職位についての希望は、繰り返し伝えることが大事

執行役員ならではの出来事として、職位について採用する企業側が持つイメージの問題があります。
重視すること、のところでも書いたように、私はポジションは気にしませんでした。給料が希望レンジの中に入っていれば、例えば課長でも、なんなら肩書無しでも構いませんでした。
ただ、自分が採用担当だったのでわかりますが、職務経歴書に執行役員とかかれていて、募集ポジションが課長だったら、ミスマッチに思いますよね。下手したら書類の時点でお断りです。
その為、エージェントには職位が下がって良いことを繰り返し伝えました。エージェントから企業に伝えてもらっても、企業側から「本当に職位が下がってもよいのか」を本人に再度確認して、と言われることもありました。
また、なぜ職位を下げてまで転職したいのかを明確に説明する必要があります。自分が執行役員という立場を捨てたい理由、立場を捨てて何をしたいのか、きちんと言語化しておきましょう。
この点は、自分の考えを明確にしたうえで、エージェントと二人三脚です。自分はエージェントに繰り返し伝え、エージェントから企業に繰り返し伝えてもらうしかありません。
職位以外の希望も明確に伝えることが、良い転職には必須
執行役員ならではの点として職位の話を書きましたが、職位以外の条件もエージェントに明確に伝えましょう。
実際に、私が採用された企業は、求人内容では私の条件と合わない部分があり、候補から外していたのですが、エージェントが私の希望を理解していたので交渉してくれました。
このブログの始めに、何を重視するかが大切と書きましたが、本当に大切です。それがあるから、執行役員から職位を上げたいのか、下げてもよいのか、ロジカルに説明できるし、採用している企業にも理解してもらえるのだと思います。
40代後半、執行役員からの転職にあたって、自分の希望を明確にすることの大切さと、どのように見られるのかを理解する重要性をご紹介しました。
きちんと理解して対策すれば、執行役員からの転職も心配しすぎなくてよいと思っています。
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