このブログの人気の記事のひとつが、LAMYサファリのローラーボールを三菱のジェットストリーム芯で使う換装についての記事です。
LAMYサファリのデザインは好きだけど、今や100円で低粘度油性インクのボールペンが買える日本では、粘度の高いボールペンの純正インクがいまいち、と思っている人が多そう。
ところが、2024年三菱鉛筆によるLAMY社の買収を経て、2025年1月29日にLAMY safari JETSTEAM INSIDEが発売になりました!
サファリのボールペンを何本も持っている私は、ジェットストリーム入りの本体ではなく純正の替え芯を購入してきたのでご紹介します。
ジェットストリームについて、基本をおさらい
ジェットストリームは三菱鉛筆が発売している油性ボールペンの名前です。
従来の油性インクは粘度が高いため書き出しがスムーズでなく、かすれてしまったり、インク溜まりができてしまうことがありました。うっかりインク溜まりを触ってしい、手にボールペンのインキがべっとりついたりした経験はありませんか。
そんな油性インクの欠点を解決したのがジェットストリーム。
低粘度油性インクで、従来のインクより滑らかに書けるし、速乾性が高いのが特徴です。
三菱鉛筆の主力商品で、2006年に国内でノック式タイプが発売になって以来、あっという間に人気商品になり、今やその商品展開は数えられないほど多いです。
2024年3月には”かろやか”に書ける、より滑らかさの増したJETSTEAM LITEが発売になっています。プレスリリースから引用します。
『JETSTREAM Lite touch ink』は、従来品よりさらに筆記抵抗を減らし、より”かろやか”な書き心地を実現した新インクです。またインクのボテや紙すべり(*)をさらに改良し、よりストレスの無い安定した筆記を提供します。時代や環境により「書く・描く」シーンが多様化する中で生まれた、JETSTREAMの新しい選択肢です。
『JETSTREAM Lite touch ink』登場|プレスリリース|三菱鉛筆株式会社三菱鉛筆株式会社からのプレスリリースです。2024年3月8日プレスリリースより
私の個人的な感想ですが、LITEの方がさらに滑らかにインクがでてくるためか少し筆記線が太く、黒の色も濃いように感じます。メモ帳やノートに書くならLITE、手帳のようなものに細かく書くなら従来のジェットストリーム、と使い分けています。
ジェットストリームのよい点ばかり書いてきましたが、低粘度で滑らか、速乾を追求する=紙にインクが浸透しやすい特徴があり、書いて長期間保存しておいたノートやメモを後で見返した時に、裏側に文字が透けて見えることがあります。
紙との相性もありますので、愛用の紙質やその用途によっては注意が必要かもしれません。
そんな点もありますが、書き心地の良さはクセになるジェットストリーム。気づくと何本も(何十本も?!)手元にあるのでした。
独自規格で我が道を行くLAMYサファリのM16
一方のLAMYサファリ。
LAMYサファリボールペンの純正芯はM16というタイプです。LAMYだとアルスターやLAMYロゴプラスで使用されている芯です。
このインクはいわゆる「普通の油性ボールペン」なので、ジェットストリームと比べると粘度が高いインクです。LAMYのインクは滑らかで、私は好きな書き心地ですが、書き出しが滑らかに出てこない率が高い。書き始めて2文字目からはとても気持ちよく書けるのですが、最初の出だしがいつもかすれてしまいます。
ジェットストリームが発売される前だったら「ボールペンってそういうものだよね」と思う程度のことであっても、ジェットストリームの滑らかさを知ってしまった今、書き出しがストレスに。人間って欲深い…。
インクはプチストレス、でも軸は好き、となると【好きな軸✕好きなインク】を追求したくなるもの。
そこに立ちはだかる独自規格。例えばペリカンのスーベレーンシリーズのボールペンならいわゆるパーカータイプのリフィルなので、ジェットストリームのパーカータイプの替え芯を使えば簡単に中を入れ替えられます。
でもサファリは独自規格でなので、他のメーカーの替え芯と互換性がありません。(ちなみに万年筆のカートリッジも独自規格です)
独自路線かつステンレス芯なので、ちょっと加工して使おう、というのがなかなか難しい。だから、サファリをジェットストリーム芯で使うための情報を探す人が多いんですね。
私は非正規品のアジャスターをつかってローラーボールの軸に入れる、という方法で、サファリ軸✕ジェットストリーム化を実現していました。
この方法の欠点は、ノック式のボールペン軸ではなく、キャップ式のローラーボール軸を使うこと。ジェットストリームを使いたいニーズは満たせるけれど、気軽にノック式のボールペンで使いたいニーズは満たせません。
ちなみにジェットストリームでなくてよければ、パイロットのアクロインキという低粘度油性インクを、サファリのボールペン軸に入れて使うことはできます。
ジェットストリームみたいに有名ではないけれど、アクロインキも書きやすいインクですよ。アクロインキのリフィルも5本以上リピートしています。
LAMYでジェットストリーム純正芯がつかえるようになった理由
2024年文具好きに走った衝撃、それは日本の三菱鉛筆がドイツのLAMYを買収したというニュース。
それまで国内のLAMY正規品は、輸入商社を通じて入ってきていました。
三菱鉛筆による買収ニュースを聞いて、LAMYサファリファンが一番に思ったのは、LAMYサファリでジェットストリームが使えるようになるかも?という期待。
その期待に応えて、満を持して登場したのがLAMYサファリジェットストリームインサイドなのでした。
手持ちのLAMYサファリ軸に純正ジェットストリーム芯M17を入れてみた
LAMYサファリ ジェットストリームインサイド の発売を知り、どれを買おうかな?と選びそうになった私ですが、M16芯のままずっと眠っているボールペンが3本あることを思い出しました。ロゴプラスまでいれると4本。
ジェットストリームインサイドの発売と同時に、リフィルも発売になったので今回はそちらを購入。手持ちのオレンジのサファリにセットすることにしました。

もともと入っていたM16芯を取り出して、M17を比べてみます。

当たり前ですが、形は一緒。違うのはM16 はシルバーで、M17はブロンズっぽいカラーなこと。ちなみに、M16 はM字(ふつうの太さ)、M17はEF(極細)を選びました。M17にはF(細字)とEF(極細)のラインナップです。
純正芯なので、M17を入れて、黒いペン先のパーツを付けたら換装完了。
実際に書いて比べてみます。紙は一般的な紙の代表としてCampusのルーズリーフにしました。
LAMY軸ではありませんが、LITEは太め、同じEF(0.5)でもM17 は細め。M16 ha書き出しのLやサファリのaが少しかすれている感じがわかりますでしょうか。

こうやって比べてみると、ボールペンのインクにも特徴がいろいろありますね。
M17芯の唯一の欠点はお値段でしょうか。定価は1本1100円。なかなか強気な価格ではあります。とはいえ、簡単に、しかも公式の方法でジェットストリームを使えるメリットもあり。今回はかなり嬉しい発売でした。
1月末に三菱鉛筆から発売になった、LAMYサファリのジェットストリーム純正芯についてのご紹介でした。
選択肢が増えたので、コスト重視で従来通りアジャスターを使うもよし、奮発して純正のM17を使うもよし、はたまたアクロインキを使うもよし。その時のニーズで選んで使いたいと思います。
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